店主A:
「こんにちは。どなたかいらっしゃいませんか?」
元気のない、少しおどおどした声が、玄関から聞こえてきました。
まもる主任:
「はい。少しお待ちください。」
人に良い食品衛生研究所
看板を掲げたばかりなのに、早速お客さんかな。
そう思いながら、まもる主任は白衣に着替えていました。
まもる主任:
「こんにちは。いらっしゃいませ。今日はどういった御用ですか?」
店主A:
「お店のことでご相談があってきました。」
あっ、お客様だ。
そう思いながら、まもる主任は、受付椅子に座ることを促していました。
まもる主任:
「どうぞこちらへ。お店というと飲食店ですか?」
店主A:
「はい。商店街に設備も整ったあき店舗があり、家賃もお手頃だったので、急いで手続きをし、
お店の開店に向けて準備をしていました。その準備の時に、通りかかった地元の方に声をかけら
れたのです。「ここでお店始めるんかい?」って。」
まもる主任:
「オープン前に地元の人に知っていただく機会になったんですね。」
店主A:
「確かにそうなんですが…どうも、そこで営業していた以前のお店は、食中毒を出してお客が来
なくなり、営業をやめてしまったらしいのです。」
まもる主任:
「そうだったんですか…。」
まもる主任が、店主にかける言葉をうしないかけていたところに、ハット先生がやってきました。
ハット先生:
「それで少し自信がなくなったのですか?」
まもる主任:
「おはようございます。当研究所の所長です。」
帽子をかぶって出勤してきたハット先生を訝しげに見る店主Aに、まもる主任が慌てて説明した。
ハット先生:
「幸先のいいオープンになりそうですね。」
店主A:
「えっ、そうですか!?」
意外な言葉に驚きながらも、ハット先生の人懐っこい笑顔に、緊張していた心が解きほぐされて
いく店主Aでした。

挿絵タイトル:ピンチはチャンス
